農業・アグリビジネス業界の業界研究

6.この業種が知りたい [1] 酪農と肉牛

皆様こんにちは。第一次産業ネット新卒2019 運営事務局です。
農業・アグリビジネス業界と言ってもその業界・業種は様々です。
今回は中でも「酪農と肉牛」にスポットを当てて業界の特色を紹介していきたいと思います。
業種の違い「酪農と肉牛」について
【業種の違い】
乳や肉などの食品物を生産するために家畜を飼育することを畜産といいます。
ウシを扱う牧場は、大きく「酪農」と「肉牛」2つの業種に分かれます。

《酪農》
 乳や乳製品を生産する畜産のことを酪農といいます。生産した牛乳を使ってチーズやバター、アイスクリームなどの乳製品を加工、販売する牧場も増えています。
《肉牛》
 肉を生産するために牛を飼育している牧場を肉牛牧場といい、酪農と業種を区別するために「肉牛」と呼ばれます。

【業務内容の違い】
それぞれ生産物が異なるため、業務内容にも大きな違いがあります。

《酪農業務のメイン》
 なんといっても「搾乳」ですが、メス牛が出産して初めて乳が出るようになるため、搾乳作業に加え出産作業も重要な仕事です。また、生まれた仔牛は6〜14か月で性成熟が終わるため、発情サイクルの観察も欠かせません。
《肉牛業務のメイン》
 日々のエサやりと体調管理です。酪農と違い、適した時期にいかにエサを食い込ませ、牛を大きく、思い通りの肉質にしていくかがメインの業務となります。また、仔牛から成牛となり肥育期間を終えるまで約15〜28ヶ月と幅があるため、出荷時期を見極めるのも重要な仕事となります。

【扱う「品種」の違い】
どちらも同じ動物種"ウシ"を扱いますが、それぞれの業種で扱う「品種」が異なります。

《酪農牧場で扱う品種》
 日本の酪農では、主に白黒模様の「ホルスタイン種」という乳量、乳質に優れた乳用種や、バターなど乳製品に向いた脂肪球が大きい乳質を持つ「ジャージー種」という乳用種が多く飼養されています。
《肉牛牧場で扱う品種》
 日本の肉牛では、主に黒毛和種やF1(※ のちPOINT.2で説明)など肉質と増体に優れる肉用種や、東北の中山間地で放牧飼養に適した「日本短角種」という肉用種が多く飼養されています。
牧場でよく耳にする交雑種(F1)とは
交雑種(F1)とは、和牛×ホルスタインまたは、肉用種×ホルスタインを掛合わせたウシを指します。
では、なぜF1を作るのでしょうか?
実は和牛と乳用種の良いとこ取りをしているのです。和牛の生産で掛かるコストよりも低く、かつ乳用種よりも肉質を向上させたウシとなったのが、交雑種(F1)です。
牧場の種類・主な特徴
ウシを扱う牧場は数多くありますが、一口に牧場と言っても牧場ごとに様々な特徴があります。
基本的なポイントを押さえておきましょう。

・酪農牧場:牛乳の生産行う。一頭ごとの乳量を増やすために搾乳牛の管理に重きをおく。
・肉牛一貫牧場:肉牛の出荷まで一貫して行う。牛の品種に合わせた肉質の向上と増体を目指し管理する。
・預託牧場:酪農家から搾乳中以外の牛を預かり、育成〜繁殖を行う(預託期間は牧場により異なる)。酪農家の搾乳以外の労働力を削減することを目的としている。
・繁殖牧場:母牛の妊娠〜出産までと、仔牛の生後約250日まで管理する牧場。
・育成牧場:生後数か月の雌仔牛を預かり、約2年間育てる牧場。
・肥育牧場:生後250日ほどの仔牛を約25〜30ヶ月まで育てる牧場。

※上記の月齢や年数等は牧場により前後します。
進化する大規模牧場「乳肉一貫複合経営」
現在、飼養頭数が千〜万頭以上かつ、広大な飼料作物農地、堆肥処理プラントなどを保有し、飼料作物の生産や糞尿処理を行いながら、乳牛と肉牛を飼育する「乳肉一貫複合経営」が増えています。
このような「乳肉一貫複合経営」牧場は、上記の牧場の役割を全て自社で完結してしまう能力があります。
頭数の多さから、最新鋭の牛群管理、搾乳システム、飼養管理技術に触れることができます。

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