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農業ビジネス

スマート農業が
日本の農業を
変える!

ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業への期待が高まっています

2018年10月11日更新

スマート農業が
日本の農業を変える!

スマート農業とは、ロボット技術やICT(情報通信技術)、人工知能(AI)等の先端技術を活用し、省力化や生産物の品質向上を可能にする新しい農業のことを言います。
日本の農業は、農業従事者の高齢化・後継者不足に伴う労働力不足をはじめ、耕作放棄地の増加や食料自給率の低下など、さまざまな問題を抱えていますが、スマート農業は日本農業が抱える課題を解決、成長産業化する試みであり、推進が急務とされています。

01スマート農業にはどんなものがある?

農業における人手不足の解消や省力化、戦略的生産に先端技術が活用されてきています。また、生産だけでなく、流通や販売における効率化、農業未経験者における就農のハードルを下げることにもつながります。

ロボット技術の活用

ぶどうを収穫してる収穫用ロボット

収穫用ロボット

人の手で行っていた収穫作業を、ロボットが行えるようになってきています。センサーによって、障害物や路面の状態を検知しながら走行し、作物の状態を確認して最適な熟度のものを判別、アームを使って作物を落としたり傷つけたりすることなく収穫できます。

畑の上空を飛行してる農業用ドローン

農業用ドローン

農業用ドローンは、農薬散布をはじめ、さまざまな用途で活用されています。農薬の散布は重労働であり、無人ヘリコプターを使用すると大変な生産コストがかかってしまうのですが、農業用ドローンの活用で、農薬散布の省力化・低コスト化が可能になりました。

情報通信技術(ICT)の活用

スマートフォンを使って作業のデータを見てる農業従事者

土壌の状態や天候、肥料、作物の品種、行った作業などをすべてデータ化し、作物の生育管理に活用することによって、品質を高め、収穫量を増やし、収益向上につなげます。
農業は自然や天候に左右されますが、どのような条件の時にどうすべきなのか、データをもとに適切な対応ができるようになります。

また、データに基づいた生育管理は、発育の予測を行えるようになるほか、害虫の発生予測や農業気象災害の警戒・軽減も可能にします。

農業の「見える化」が
後継者育成につながる

畑を前にタブレット端末を使って調べ物をしてる農業従事者

農業で必要な生産技術やノウハウを習得するには、長い年月を要するため、農業は未経験者にとってハードルの高いものとなっていました。
しかし、熟練農業者の技術やノウハウ、判断などをデータ化し、活用することによって、匠が長年の経験によって習得した「勘」や「コツ」を、経験の浅い農業者でも短期間で習得できるようになっています。

02スマート農業普及に向けた課題とは

スマート農業には、省力化や生産性の向上など多くのメリットが期待できますが、デメリットがあるというのも事実です。スマート農業を普及し、日本の農業をさらに発展していくためには課題解決が不可欠となっています。

導入コストがかかる

スマート農業を実現するためには、製品・サービスの導入が必要となりますが、莫大な費用がかかるため、規模の小さな農家では、導入したくても簡単なことではありません。
しかし、リースでの導入によってコストを軽減できたり、導入費用の一部が補助される制度を利用して、導入に向けた支援を受けることも可能です。

作業者の育成が必要

どんなに優れた農業用ロボットを導入しても、それを作業者が操作できなければ、活用できません。機器やサービスを活用することがハードルとなる場合も多いでしょう。
しかし、農業分野では高齢化が問題となっていますが、高齢の作業者でも操作が簡単で利用しやすい機器・サービスの開発も進められています。また、作業者のリテラシー向上のための教育、操作方法を教える人材育成に向けての取り組みも進められています。

03スマート農業の導入事例

山形県・仲田牧場

システム概要

  1. ほ乳作業を自動化し子牛を牛舎において群れでの飼育管理をしている。
  2. ほ乳ロボットは子牛の生育期間により3通りのプログラムを設定して、1日の給与乳量、回数、1回の飲乳量、授乳間隔が決められている。
  3. 子牛がドリンクステーションに近づくと子牛の首に付けたICタグにより個体認識を行い各子牛の適量を指導調節する。
  4. 毎日の授乳量や授乳回数、時間等の成長状況を、システムを通して把握することができる。
ICタグを用いた哺乳ロボットシステムと酪農者の関係解説イラスト

導入の背景・得られた効果

導入前は、カーフハッチという子牛を1頭ごと入れる小型牛車でほ乳を行っており、時間と労力が掛かる作業となっていましたが、ほ乳ロボットの導入で作業時間おや労力を軽減できるようになっただけでなく、子牛の個体管理が適切に出来るようになっています。

導入者のコメント
  • 子牛ほ乳に掛かる労力が減少した。(導入以前との比較では80%減少)
  • ほ乳作業の労力軽減で、他の牛の健康状態など個体管理に時間を回すことが出来る。
  • 子牛の感染防止、早期発見を図り、抵抗力のある牛を育て、良質で安定した生産を目指したい。

(平成25年7月19日時点)

農林水産省IT 利活用の事例調査(平成25年度)を元に作成

滋賀県・有限会社フクハラファーム

システム概要

  1. 日々の作業実績や使用資材、スマートフォンの専用アプリで撮影した水稲の生育状況などの写真をデータセンター(注)に蓄積。
    (注:大量のサーバを収容し、インターネット接続サービスや保守・運用サービスを提供する施設。)
  2. 蓄積したデータをもとに作業時間や生産コストの分析を行うとともに、インターネット経由で必要な情報を参照しながら、作業の振り返りや栽培管理の改善に向けた話し合いなどに活用。
  3. ICタグや温度センサー、カメラ、GPSなどを活用して農作業ノウハウを詳細に記録・蓄積して熟練ノウハウの伝承を図る研究開発の実証実験にも参画。
スマートフォン、各種センサーからのデータをデータセンターに蓄積することによる農業ノウハウ蓄積・参照イメージ解説イラスト

導入の背景・得られた効果

有限会社フクハラファームでは、農業者の高齢化・リタイアに伴い、非農家出身者などの若者を雇用して経営規模の拡大を進めていました。その中で、安定した収量・品質の確保のために、新たな農場管理の仕組を構築することの必要性を感じたことが、ITの利用に踏み出したきっかけになったそうです。

平成20年から民間企業の協力により実証実験に着手し、平成22年度からは九州大学・滋賀県農業技術振興センターなどが実施するITを活用した熟練ノウハウ伝承手法の研究開発に向けた実証実験にも参画しています。

導入者のコメント
  • 「百聞は一見にしかず」で、現場の状況を即座に共有でき、リスク回避や従業員教育に貢献しはじめている。
  • 作業実績を詳細に記録することで、作業の実態を具体的データに基づき把握でき、課題の抽出や改善策の検討に役立っている。
  • 新しい取組に参加しているという事が従業員のモチベーション向上になっている。
  • ICタグなどを活用することで、これまで記録できなかった詳細な農作業情報を記録することが可能となり、農作業ノウハウの蓄積が図れるようになってきた。

農林水産省IT 利活用の事例調査(平成25年度)を元に作成

04スマート農業の実現で、広がる可能性

農業は、「きつい」「体力が必要」という印象を持っている人が多いです。また、農業には、経験や技術、知識が必要であることから、農業を始めることは、とてもハードルが高いものだと感じている人も少なくありません。

しかし、スマート農業の実現によって、体力がない人も高齢者も、経験や技術を問わず活躍できるようになっています。また、ICT やロボット技術によって、農業界の多角化・発展も期待され、可能性が広がっています。

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