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農業ビジネス

東京オリンピック
が農業の
ビジネスチャンス!?

東京オリンピック・パラリンピックで、
日本の農畜産物を使用するための条件とは?

2018年11月7日更新

東京オリンピック・
パラリンピックにおいて
農業でチャンスを
つかむための条件とは

オリンピックの経済効果は30兆円とも言われています。そのため、多くの企業がビジネスチャンスをつかもうと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みを始めています。

農業においても同様で、多くの農業法人が東京オリンピックに向けて準備を進めています。選手村や大会開催時の日本食の提供・国産食材の活用は、ビジネスチャンスであり、日本の食やその文化を世界への発信することにつながります。
安全性の高い食材を提供し、大会の成功はもちろん、その後の輸出拡大につなげることが求められています。

01東京オリンピック・パラリンピックで
問われる
「食の安全」

畑を見つめている男女

2012年のロンドン大会から「競技者のため、美味しく、健康的で、環境に優しい大会」というビジョンが打ち出され、オリンピックにおける提供食材において食の安全が求められるようになりました。
それにより、農畜産物の生産管理や加工における衛生管理などに厳格な基準が設けられ、その基準をクリアしなければ、オリンピックにおいて使用ができなくなっています。

オリンピックにおける
提供食材の調達基準とは

オリンピック聖火台

オリンピックにおける提供食材には、厳格な国際基準「GAP」の認証を受けることが求められています。ロンドン大会からGAP(グローバルGAP)が採用され、農産物の質や安全性だけでなく、持続可能性に配慮した農産物が求められるようになりました。

東京2020組織委員会が認めるGAP認証には、グローバルGAPのほか、アジアGAP、ジャパンGAPがあります。

GAP(ギャップ)とは?

トラクターでの稲刈り

GAPとは、GOOD(適性な)・AGRICULTURAL(農業の)・PRACTICES(実践)の略称であり、農業生産の環境的、経済的及び社会的な持続性に向けた取組みやその基準のことを言います。日本では、「農業生産工程管理」とも訳されます。
2001年にIFAとしてスタートし、2007年に現在のGLOBALG.A.P.(グローバルGAP)という名称に変更となりました。ドイツに本部を置き、ヨーロッパを中心に世界120ヵ国以上で普及しています。

農畜産物の認証への取り組みが広がり、グローバルGAPだけでなく、さまざまな国や団体が認証制度を設けていて、日本でスタートした「JGAP」、アジア共通のGAPのプラットフォームとして位置づけられる「アジアGAP」などが誕生しています。

グローバルGAP(GGAP)

グローバルGAP(GGAP)認証は、GAP(農業生産の環境的、経済的及び社会的な持続性に向けた取組み)の実践を証明する国際的な基準です。ヨーロッパで発祥し、世界中で普及しています。

グローバルGAPマーク

ジャパンGAP(JGAP)

ジャパンギャップ(JGAP)は、日本で生まれたGAP認証制度であり、日本GAP協会が認証を行っています。GGAPは、農畜産物に加え、水産養殖にも適用されますが、JGAPは農畜産物のみとなっています。

ジャパンGAPマーク
GGAPとJGAPの違い

JGAPは、GGAPを日本で取得しやすくすることが目的で作られました。かつては、日本語の基準がなく、診査料が高額であるなど、GGAP認証取得は日本では敷居が高いものでした。

現在は、GGAPも日本で取得しやすくなりましたが、あくまでもGGAPとJGAPは異なり、JGAPはGGAP認証取得の準備段階という位置づけとされています。

02GAP認証を取得している
農家は少ない!?

東京オリンピック・パラリンピックにおける
国産食材調達への懸念

畑仕事をしてる農家の男性

GAP認証を取得している農家や農業法人は少ないというのが現状です。また、GAP認証取得までにかかる期間は半年~1年とも言われています。
そのため、せっかくの大きなチャンスに、国産食材を調達できないのでは…という懸念が広がっています。

しかし、東京オリンピックに向けて、GAP認証取得に取り組む農家や農業法人をはじめ、プライベートブランドを持つスーパーマーケットなどが既に動き出しています。日本において、GAP認証の意義やメリットが浸透していることも事実です。
政府は、「平成31年度末には、平成29年4月時点の3倍以上の認証取得を目指す」という政策目標を掲げ、GAP導入支援のための補助金制度も実施しています。これによって、今後さらなる認証農場の増加が期待できるでしょう。

認証を受けるためには何が必要?
取得までの流れ

認証を受けるには、GAPが作成したチェックリストへの対策を講じたうえで、審査員による現地診査(第三者認証)を受ける必要があります。

この診査は、食の安全・環境保全・労働保全という観点から、適切な農場管理が行われているのか、基準書に基づいて行われます。しかし、グローバルGAPのチェック項目は青果物で218項目、穀物で209項目となっていて、多くの項目をクリアする必要があります。(生産作物によって異なります)

GAP認証の流れ解説イラスト

GAP認証取得は大変!?

GAP認証を取得するには、安全性の高い農産物を生産するだけでなく、そこで働く従業員の安全管理や廃棄物の処理、農具の管理や洗浄など、あらゆる点においてリスクを洗い出し、適切に取り組まなければならなりません。
しかし、GAP認証取得によって得られるメリットは多く、ビジネスチャンスも広がります。どこでどのように生産された農産物なのか、見えない取り組みがGAP認証取得によって「見える化」できるのです。

近年は、生産過程を意識する消費者も多いですが、信頼できる農場であることをアピールできるという点も大きなメリットでしょう。また、作業者の安全や健康が守られるという点など、幅広いメリットが期待できます。既に欧州ではほとんどのスーパーマーケットがGLOBALG.A.P.を調達基準としており、欧州のスーパーマーケット市場占有率は6~7割とも言われています。

GAP認証取得によるメリットの解説イラスト

03東京オリンピック・パラリンピックが
さらなるチャンスに!

トラクターによる田植え

GAP認証の取得は、オリンピックビジネスでのスタートラインです。海外に日本の食文化とともに、日本の農産物の魅力を発信できる絶好の機会でしょう。このチャンスが、オリンピックが終了後にも、さらなるチャンスを生み出していくことでしょう。

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