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就農

新型コロナウイルス

感染症と農業雇用
(2020年7月執筆)

新型コロナウイルス感染症禍から見えた農業界の
雇用について徹底解説!

2020年7月3日更新

新型コロナウイルスと闘う農業!
職業としてのイメージにも
変化が起きた

新型コロナウイルス感染症禍(以下:コロナ禍)によって、現在(2020年7月)も様々な産業が停滞しています。
日本では、4月7日に緊急非常事態宣言が発表され、企業活動は休業あるいはリモートワークなど自宅での仕事を要請されました。
5月25日に、ようやくすべての都道府県で緊急非常事態宣言は解除されましたが、約2ヶ月に及ぶ“自粛”期間が与えた影響は様々なところで出ています。

その中で農業界は、どのような動きをしていたのでしょうか?
他の産業のように我慢せざるを得ない状況であったことは確かです。
しかし、コロナ禍の最中、農業界のたくましさを知ることもできました。
それは一体どのようなことなのでしょうか。農業における「人」にフォーカスして見てみたいと思います。

01コロナ禍でもスーパーに野菜や肉が並んだ日本

コロナ禍でもスーパーに野菜や肉が並んだ日本

2020年収穫期の人手不足に国が緊急対策

近年の日本では、様々な産業分野で外国人技能実習生が学びながら働いており、農産物の生産においても非常に大きく寄与しています。
今回のコロナ禍の中、世界各国が出入国制限など人の移動を国境でロックしてしまいました。
この影響で、自国へ一時帰国していたが日本に戻れない農業分野の外国人技能実習生が出たり、今年予定していた新規の外国人技能実習生の受入れができない農家が出てしまいました。

実は今年1月の時点で、これから農繁期を迎える各産地では、収穫期の人手について非常に大きな危機感を持っていました。
理由としては、新たに入国してくる外国人技能実習生に期待していた人手の部分が、渡航制限によって全て白紙になってしまうことが予想できたからです。
これは私たち国民の食卓へも影響があるかもしれない大ピンチの情勢だったのです。

そこで国は、まず農業生産現場の不安を払拭するため、国内ですでに活動している外国人技能実習生が予定していたビザの期間より長く日本国内で活動できるよう、また農業経営体が日本人の従業員雇用も促進できるよう、様々な「農業+雇用」に関する緊急支援策を打ち出したのです。

法務省と入国管理局による緊急支援

まず法務省は入国管理局と連動して「新型コロナウイルス感染症の影響により実習が継続困難となった技能実習生等に対する雇用維持支援」を開始しました。
例えば、日本国内で引き続きの活動を希望する外国人技能実習生の方々が再就職し就労が継続できるよう、当面の間の特例措置として最大1年間の追加就労が可能な特定活動という在留資格を許可するなどの内容です。
こういった支援策は、農業分野で働く外国人技能実習生と生産現場の双方を助けるもので、大いに活用されており今日の私たち国民全体の食卓を助けることにまで繋がっていたのです。

農林水産省による緊急支援

農林水産省も、コロナ禍にあっても農業経営体が日本人の雇用を促進できるように労賃の一部を支援するなどの「農業労働力確保緊急支援事業」を4月より開始しました。
この敏速な動きの背景には先述した外国人技能実習生の入国制限等が発生し、人手不足に陥いるかもしれない農業経営体を助けたいという事情があります。
この「農業労働力確保緊急支援事業」には令和2年度補正予算(46億円程度)が投入される予定です。

02今だからこそ職業としての農業か?

今だからこそ職業としての農業か?

今回のコロナ禍の中で、職業としての農業が脚光を浴びているというデータがあります。
もしかすると令和時代に私たち日本人が自国の農業に対して持つ職業としてのイメージは、これまでとは全く違ったものになっていくかもしれません。

民間の求人媒体では農業求職者が急増

例えば、農業求人サイト「第一次産業ネット」は前年同月比として以下のデータを発表しました。

新規登録会員数(前年同月比)

新規登録会員数(前年同月比)

応募数(前年同月比)

応募数(前年同月比)

なぜ農業求職者が急増したの?

このデータの背景には何があるのでしょうか。農業求人サイト「第一次産業ネット」の広報担当者は次の考察を語っています。

・農業の生産現場への関心が特に高くなっている
・コロナ禍の影響を受けた他産業から農業に人が流入している
これらはデータ上から確実に起こっていると言える。

しかしそれだけでは説明がつかない様な数値の上昇が見られる。
今、農業界はこれまで経験したことがないほどに、職業として注目を浴びているのではないか。
そして就職したい産業として直感的に見直されたのではないか。
この傾向はコロナ禍が収束した後も、全世界中で人々の価値観の変化と共に継続していく可能性がある。


というのです。

たしかに価値観から農業が変わるのかも

今後、地球規模で農業が新しい価値観を持つというのは壮大な話しですが、実際にドイツでも農業が再注目されているというニュースが同じ時期に流れています。
この令和時代のタミングで農業は注目を浴び、IT導入、機械化、自動化、企業化が進んでいる新しい産業として捉えられる様になる予兆にも見えてきました。

03まとめ

現在、新型コロナウイルス感染症の恐怖は完全に消えていません。この状況下の中、就農志向が広がっているようです。

100年先も絶対になくならない職業として、農業もしくは農業生産が、今後ますます注目されていく可能性は大いにあります。

農業は自然災害と何度も戦ってきた歴史があります。
今回の新型コロナウイルス感染症禍でも、農業の底力に期待したいです。

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