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アグリテックとは何か、
農業用ドローンについて

アグリテックが農業の未来を変える!

ローテク(Low-Technology)な印象の強い農業ですが、近年はハイテク化しています。ITや人工知能、ロボット技術などの最先端テクノロジーを活用する「アグリテック」が、農業におけるイノベーションを支えているのです。
アグリテックによって、農業が抱えるさまざまな問題を解決できるだけでなく、新たなビジネスの創出や市場規模拡大につながることが予想され、アグリテックへの期待がどんどん高まっています。

01アグリテックとは?

じゃがいも

アグリテックとは、農業を意味する「Agriculture(アグリカルチャー)」と、科学技術という意味の「Technology(テクノロジー)」を合わせた造語で、農業における課題をICTやAI、ロボット技術などの先端技術によって解決しようとする試みです。IT農業やAI農業などと呼ばれることもあります。

匠のノウハウを分析

「水やり10年」などと言われるように、農業ではさまざまな場面で「経験」や「勘」が求められ、新たに農業を始める人がそれを体得するには、多くの時間を要します。 しかし、先端技術によって熟練農家のノウハウを数値化し、活用できるようになり、さまざまな作業を感覚ではなくデータに基づいて行えるようになりました。

これにより、収穫量UP・品質の安定はもちろん、高齢の熟練農家の技術・ノウハウが消失するのを食い止めることができます。また、新規就農の敷居を下げ、農業を始めやすい環境をつくれることは大きなメリットです。

農家の技術をデータ化

農家の技術をデータ化 農家の技術をデータ化

作業負担を大幅に軽減

ドローンを始めとするロボットを使って農作物や家畜を育てることにより、人手不足によっておこる問題も解消できます。また、収穫物の積み下ろしといった重労働、危険を伴うような作業、過酷な環境での作業も、人の手で行わずに済むようになります。

  • 田植え
  • トラクター

生産の効率化

すべての作業を人の手で行っていては、行える作業に限界があります。しかし、農業ロボットや自動運転機器によって、複数の作業を一度に行ったり、自動・半自動で作業を行うことも可能になってきています。
作業の効率化が図られることにより、労働力不足を補い、生産量を向上できます。省力化と労働時間の短縮によって、農業従事者の働き方も変わってきています。

02アグリテックの事例

近年、アグリテックの導入が急速に進んでいます。アグリテックの事例を、いくつかご紹介します。

農業ドローン

農業ドローン

写真:ファームパイロット(Farm Pilot) シリーズ
 アグリロボトラクタ「SL60A」(株式会社クボタ)

アグリテックの代表例といえば農業ドローンです。今まで農薬散布をする場合は産業用無人ヘリを使っていましたが、重量は約100kgと持ち運びづらく、価格も1台1,000万円以上と高価で、誰でも手が出せるものではありませんでした。

しかし、昨今開発が進んでいる農業ドローンは、重量10~20kg、価格も100万円前後と、無人ヘリに比べると軽量・低価格化が進んでいます。操作も無人ヘリに比べると驚くほど簡単で、労働負担の軽減が期待されています。
ドローンの開発は現在も進んでおり、農薬散布以外にも、野菜や穀物の種まき、カメラを連動させて作物や土壌の観察もできるようになりました。収集したデータを分析することによって成長や収穫適期を予測でき、収穫量や品質の予測・最適化も可能となっています。

  • 農業ドローン
  • 農業ドローン
  • 農業ドローン

自動運転トラクター

自動運転トラクター

近年、自動運転技術が目覚ましい進歩を遂げていますが、この技術の農業機械への実用化も急速に進んでいます。 人が乗らずに農作業が行える、自動運転の田植え機やコンバイン、トラクターなどが開発されていて、少ない人数でも効率的に農業経営が行えるようになってきています。

中でも、自動運転トラクターは、既にモニター販売がスタートし、一般販売も間近となっています。GPSを駆使し、位置情報を認識して設定通りに作業が行えることから、作業者の負担軽減できるだけでなく、経験の浅い作業者でも熟練者と同じ精度の作業を行うことができ、高齢者でも簡単に作業が行えるのは魅力です。

自動運転の安全性が気になるところですが、障害物を感知すると自動停止するほか、リモコンを使った遠隔操作も可能です。実際に、自動運転トラクターは、農地面積が広大な北海道を中心に導入され始めています。

  • 自動運転トラクター
  • 自動運転トラクター

写真:ファームパイロット(Farm Pilot) シリーズ
 アグリロボトラクタ「SL60A」(株式会社クボタ)

植物工場

植物工場

植物工場とは、光や養分などの植物の生育環境を高度にコントロールし、野菜や花などの植物を計画的に栽培することができる施設を言います。主に、太陽光を使わずに栽培する「完全人工光型」と、温室のように半閉鎖環境で育てる「太陽光利用型」に分けられます。

特に「完全人工型」は従来の栽培方法とは大きく異なり、天候の影響を受けないことから、計画的な生産が可能になります。また、病害虫の影響を受けないので、農薬を使用する必要がなく、消費者が安心して摂取できる野菜の栽培が可能です。さらに、労働力を大幅に削減できる、肉体的負担を軽減できるといったメリットもあります。露地栽培(屋外で栽培する方法)に比べて軽作業が多いので、体力に不安のある高齢者や障がいを持った方の雇用にも繋がります。

栽培する作物が安全で安心、そして、味が良くて美しいため、働く人にとってもやりがいが大きいというのも一つのメリットです。植物工場はコストがネックではありますが、2009年より国家プロジェクトが始まっていて、今後さらに国からの支援が期待できる分野です。

搾乳ロボット

搾乳ロボット

畜産農業を代表するアグリテックといえば、搾乳ロボットです。牛の乳を搾る作業は、搾乳機を手作業で乳頭に装着するのが一般的ですが、近年は搾乳ロボットの導入で自動化している酪農家もいます。
牛は一頭ごとに乳頭の大きさや場所が違いますが、レーザーにより乳頭の位置を検知し、自動で搾乳機を装着できます。
また、牛が自分でロボットに入っていく仕組みなので、労働者の肉体的負担の軽減、労働時間の削減など多くのメリットが認められています。そのため、労働者を増やすことなく規模の拡大も実現できます。

さらに、牛につけられている首輪やタグと連動して、絞った生乳のデータから一頭ごとの状態把握もできます。乳量や乳成分などをすぐに計測し、絞り残しや異常がないかをスピーディーに確認でき、乳房炎などの病気を減らすというメリットもあります。

03アグリテックで農業が変わってきています

収穫した野菜

農業に対して、「きつい」「汚い」といった先入観を持っている人も少なくありませんが、アグリテックは、労働者の負担を軽減するのはもちろん、心のゆとり、時間のゆとりも生み出しています。また、農業経営にも大きなメリットを生んでいます。

世界において広がりを見せているアグリテックは、日本でも農林水産省を中心に省庁が連携し、研究・開発や普及のための政策を打ち出しています。今後、ますます発展するアグリテックから目が離せません。