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農業ビジネス

農業×サブカルチャー
「作る」を「創る」

農業をテーマにしたサブカルチャー作品から、その親和性と影響に迫る!

2021年1月19日更新

サブカルチャーって何?農業と関係あるの?

「サブカルチャー」という言葉は聞いたことがありませんか?
サブカルチャーとは、マンガ・アニメ、ゲームや映画といった大衆向けのコンテンツを一般的に指しています。「外国人観光客が日本のサブカルチャー作品を求めて来日!」なんてニュースもよく見かけますよね。
実はそのサブカルチャー、農業とも関係を持ちつつあるんです。
農業をテーマにした作品の登場や、アニメやマンガのイラストを使った外装パッケージなどなど・・・
今回は、そのサブカルチャーと農業の親和性、そして影響についてご紹介します!

01「農業」をテーマにしたサブカルチャー作品

まずは、農業をテーマにした作品を知っていただきたい!ということで、マンガとゲームの分野から2作品ご紹介します。

「Farming Simulater 」シリーズ/株式会社オーイズミ・アミュージオ

ファーミングシミュレーター 20
提供元:『ファーミングシミュレーター 20』
© 2019 GIANTS Software GmbH. Published and distributed by Focus Home Interactive under license of Giants Software. Farming Simulator, GIANTS Software and its logos are trademarks or registered trademarks of GIANTS Software. Focus, Focus Home Interactive and its logos are trademarks or registered trademarks of Focus Home Interactive. The agricultural machines and equipment in this game may be different from the actual machines in shapes, colours and performance. All rights reserved. All other names, trademarks and logos are property of their respective owners. Licensed to and published in Japan by Oizumi Amuzio Inc.

最初に紹介する作品は、農場経営シミュレーションゲーム「Farming Simulater」シリーズです。
このゲームには、登場人物・ストーリーなどは一切無く、ひたすら欧米の農場経営者として重機を操り作物を収穫したり、家畜を購入したりと試行錯誤を重ね、農場を経営していくという純度100%のシミュレーションゲームです。
非常に手間のかかるゲームのように聞こえますが、いざプレイを始めると、そのやりこみ感と農業の奥深さ、そして自然と生きる魅力に飲み込まれてしまいます。
この作品のキモは、ただ単純にプレイしているだけでは経営が立ち行かなくなってしまうことです。数多く存在する重機の中から作物や工程に合致したものを選び、燃料の補給やアタッチメント交換も怠れません。また、収穫後も販売を自分自身で行うため、高値がつく時を見極めなければなりませんし、家畜や林業に関しても、品質管理や加工といった段階まで自身の手で行うこととなります。
欧米の農場が舞台ということもあり、日本の農業とは規模であったり、取り扱う品目の違いなどもありますが、実農家の方にとっては新鮮かつ新たな発見につながるのではないでしょうか。また、農業に携わったことがない!という方にとってもシミュレーションゲームという形で農業の楽しみ・魅力に触れることができる作品の1つと言えるでしょう。

「銀の匙 Silver Spoon」/荒川弘 (小学館)

銀の匙 Silver Spoon

本作は、主人公・八軒が札幌の進学校から「寮がある」という理由で自然に囲まれた農業高校の酪農科学科に入学し、友人たちと共に酪農をはじめとした農業に関わっていく中で、農業の魅力、楽しさ、そして厳しさに直面し、自分自身の将来と向き合い、成長していく物語です。
この作品の魅力とは、なんといっても濃厚な酪農・農業の知識に触れられることでしょう。作者である荒川弘先生の実家は、代々続く専業農家であり、先生自身もマンガ家になる以前に7年間ほど農家として働いていたそうです。また、農業高校出身ということもあり、作品内で描かれる知識の数々は、農業に携わったことのなかった読者にとっては非常に興味深く、酪農・農業を知ることのできる良い機会となること間違いなし!
また、今日の農家も直面しうる、離農問題や後継者問題、6次産業化や農業法人化といった課題も多く取り上げられています。そういった課題や挑戦に対して、主人公の八軒が未経験者ゆえの新鮮な視点や友人をはじめとした周囲の知識を活かして向き合っていくことも魅力であり、農業における挑戦を後押ししてくれるようなメッセージを強く感じることのできる作品といえるでしょう。

02農業とサブカルチャー その共通点と効果とは?

農業とサブカルチャーの共通点

ここまで「農業」をテーマにしたサブカルチャー作品を紹介してきました。
では、その農業とサブカルチャーの共通点とは何なのでしょうか。
それは、どちらとも「第一次産業」であり、生産者と消費者という立場がある点でしょう。
農業とは、作物や家畜を作る・育てることで消費者へ食物を提供しています。対してサブカルチャーは、マンガ家やゲーム会社といった作り手が、マンガやゲーム・アニメといった文化的商品を創り、それらを求める消費者に娯楽を届けています。どちらも、「作る」か「創る」という文字の違いはあれど、生産者として消費者に喜びを提供しているという第一次産業としての役割は共通点といえるでしょう。
また、今日においてその生産者と消費者の垣根が低くなりつつある点も同じではないでしょうか。それまで、消費者として、食物を購入してした人、あるいはマンガやゲームを楽しんでいた人が自分自身のアイデアや工夫を実践してみる・実践したいと考え、挑戦する。その挑戦しやすい環境も、両者の共通点といえますね。

コラボレーションの例

そして、これまでにも農業とサブカルチャーとのコラボレーションによって効果をあげた例があります。
その1つが、JAうごが2008年から販売を開始した美少女イラストを米袋として使用した「あきたこまち」です。
若い世代の米離れを食い止めようと企画され、若い世代に人気のイラストレーターを採用し、米袋に和装美少女を描いた「あきたこまち」を販売しました。
そして、販売開始からたったの5日で例年の5倍近い800件を超える予約が寄せられました。また、先行販売会場では5キロ以上のお買い求めのお客様に同イラストを用いたクリアファイルの進呈も実施しました。
また、農業をテーマにしたアニメの舞台となった地を訪れた若者が実際に農業体験をするなど、これまでにもサブカルチャーと農業の効果は実証されてきているといえるでしょう。

03農業×サブカルチャー 将来と課題

農業×サブカルチャー 将来と課題

広がる協同の可能性

農業×サブカルチャーという形は、これからも取り入れられていきますし、積極的に取り入れていくべきでしょう。
前述のように、両者には仕組みや考え方の共通点があり作り手として共感を得やすいとともに、「農業」という独自性が強く、テーマとしての幅が広い分野は、今後も多くサブカルチャー作品の題材となるでしょう。そういった作品が新たなブームとなった時に、農業界全体でコラボレーション企画やイベントの開催を考えていく必要があります。
また、「あきたこまち」の例のように、個人・法人としても商品にサブカルチャー由来の付加価値をつけるべく働きかけることも重要となります。
農水省でも、国家間において日本の農作物をはじめとして食文化のアピールに向けて、サブカルチャーを活用していく戦略も考えられており、将来的に農業にとってサブカルチャーがより身近に、そして重要な一手になることは間違いないでしょう。

農業×サブカルチャーに必要なコト

同時に、その農業とサブカルチャーの協同の実現には、更なる相互の理解とより多様な人材が必要不可欠です。
「農業」をテーマにした作品作りには、実体験を含む農業知識が求められますし、逆に農業従事者にもアニメやマンガ・ゲームへの理解と作品や製作者への関心が高まらなければいけません。
そのために、今回紹介したような「農業」がテーマとなっているサブカルチャー作品から農業に興味を抱いた人が、「働きたい」と感じるような受け皿を農業界全体、そして個人・法人で作っていかなければなりませんし、サブカルチャーとの協同を視野に入れ、デザイナーやマンガ家といったサブカルチャー人材の採用にも力を入れていく時なのではないでしょうか。

04まとめ

まとめ

今回紹介した2作品以外にも「農業」をテーマにしたサブカルチャー作品はまだまだありますが、農業×サブカルチャーは発展途上といえるでしょう。
しかし、国内外問わない影響力を持つサブカルチャーと、人間元来の「食物」に携わる農業の協同には大きな可能性がまだまだ存在しています。
本稿を読み、農業とサブカルチャーの関係に興味を抱かれた方やイラストやゲーム作りの技能を他業種で活かしていたいと考えている方は、ぜひ農業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
自分自身のアイデアと工夫で、マンガやゲームで体験した農業を実現してみてください。

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