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農業ビジネス

農林業センサスについて

詳細なデータから、日本の農林業のこれからを考えよう!

2021年8月20日更新

農林業の現状がどうなっているか、数字で見たことありますか?

「農業界は高齢化が進んでいる」、「林業界は担い手不足が深刻だ」。農林業に特別興味を持っていない方でも、テレビやネットなどのメディアでこのように取り上げられているのを見たことがあるのではないでしょうか。

しかしそういったデータを数字として見たことはあるでしょうか。実は、農林水産省が5年に1度、農業・林業を営むすべての個人と法人を対象に調査を行っているんです。その一部が2021年6月30日に発表されました!
そしてこれをまとめたデータこそが「農林業センサス」です。
政府はこのデータを基に、今後の農林業のあり方について考えています。この農林業センサスは厚生労働省のページから誰でも見ることが出来るようになっており、現在農林業に従事している方にも、これから挑戦しようと考えている方にも、大変興味深いものとなっています。現在公開されている最新版は2020年版で、その実態がつまびらかに記載されています。
それでは、一緒に農林業センサスから日本の農林業について考えていきましょう!

01農林業センサスとは?

農林業センサスは農林業の国勢調査!?

農林業センサスは、農林水産省が舵を取って5年に1度、農業・林業を営むすべての個人と法人を対象に行った調査を基に作成されます。
ではまず、何を調べるのか。
それは大きく分けて以下の項目になります。

農林業経営体調査
農業労働力、経営耕地面積、農作物の作付面積、家畜の飼養状況、農産物の販売金額、農作業受託の状況、農業生産関連事業、林業労働力、保有山林面積、素材生産量、林産物の販売金額、林業作業の委託及び受託等
農山村地域調査(市区町村用)
総土地面積、林野面積
農山村地域調査(農業集落用)
寄り合いの実施状況、地域活動の状況、地域資源の保全・活用状況、実行組合の有無等

こうした内容をそれぞれの個人と法人に回答してもらう方法で調査されます。
わかりやすく言えば、農林業界の国勢調査です!5年に1回という点も同じですね。
基本的には書面にて送られてきた調査票に記載する形式となりますが、最近はオンラインでの回答も可能となり、正確かつ迅速に情報をまとめるために推奨されています。

もちろんこれは義務ではありませんが、この情報を基に政府が5年後までの農林業に対する政策を考えていくため、正確な情報を届けることが大切だと言えます。

全8巻の超大作!

農林業センサスはそれぞれから集めたデータをまとめたものとなります。ちなみに皆さんは、現在日本に農林業を営む経営体が合計どれくらいあるかご存じでしょうか?

農林業経営体調査グラフ

なんと合計100万を超える経営体が存在するんです!
こうした一つ一つの情報を細かくまとめた農林業センサスは全部で8巻にもなる超大作になります。

2020年7月時点では2巻分しか公開されておりませんが、2022年までかけ順次公開される予定です!

02農林業センサスから見えてくるもの

農林業経営体は激減?

それでは2020年度版の概要を見てみましょう!
先ほどの経営体数のデータを基に過去3回分の農林業センサスでは以下のようになっています。

農林業経営体調査グラフ
農林業センサス:1 農林経営体数より抜粋

このように年々農林業に従事する経営体数が減少している様子がわかりますね。
特に林業の経営体はここ10年で1/4まで減少しています。
しかし別のデータを見ることで違う側面も見ることができます。

それは林業経営体の保有山林面積ごとのデータです。
このデータを見ると5年前と比べて10ha以上の山林を保有している経営体の割合が多くなっているのです。
また林業の素材生産量を見ると5年前よりも増加しているんです!

これがどういったことを示すのかというと、小規模の経営体が減少する一方で大規模な経営体(法人など)が増えているということなんですね。
またこの傾向は農業界でも見ることができます。

一概に数が減ったという側面を見るだけでなく、法人などに集約されているということがわかるとまた違った観点からこれから先の農林業について考えることができるようになります。
このように複数のデータから広い視野をもって物事を捉えることができるのが、農林業センサスの強みと言えるのではないでしょうか!

どんなことに活用されているの?

グラフを囲む人たちの写真

農林業センサスはその詳細なデータを基に、向こう5年間の農林業における政策の指針となります。
それは従事している方々の声に、直接耳を傾けていると言っても過言ではないでしょう。
今までには第一次産業に従事する方に対する助成金や地域資源の保全を行う際のデータとして農林業センサスは用いられてきました。

その他、法令の制定にも農林業センサスは用いられています。
「植物防疫法」という法律を制定する際、指定有害動植物の発生の予測・推察に関する事業への協力や、病害虫防除所の運営する際の交付金を決定する必要がありました。そこで参照されたデータが農林業センサスの農家数、経営耕地面積、飼料用作付け面積や牧草専用面積のデータです。

こうした背景からも、法律を作る際にも国が信頼を置いていることがわかりますね。

03農林業センサスクイズ!

指をさす女性

第1問 さとうきびの栽培地域について

突然ですが、農林業センサスの中からクイズです!
第1問は暑い夏にぴったりのテーマにしてみましょう。
夏と言えば沖縄!沖縄と言えばさとうきび!さとうきびは沖縄や九州など温暖な地域で収穫されているイメージが強いと思いますが、実は他の地域でも栽培が行われているというデータが出ています。どんな地域だと思いますか?ちょっと考えてみてください。

正解は、四国地方と東海地方です!
実は和三盆で知られる香川県や徳島県の他、静岡県などでもサトウキビ栽培と砂糖づくりが行われているんです。また、大きな規模ではありませんが千葉県でも栽培され、砂糖づくりが行われているということは意外と皆さん知らなかったのではないでしょうか。

第2問 お米の栽培地域について

稲

続いて第2問!
次は作物のデータを見てみましょう。ここでは8月~9月頃収穫のシーズンを迎える稲作に焦点を当ててみます。
日本の稲作付経営体で、1位は15万経営体の東北地方、2位は11万経営体の関東地方ですが、3位はどこでしょうか?
屈指の米どころである新潟県有する北陸でしょうか?それとも土地の広い北海道でしょうか?
それでは結果を見てみましょう!

全国農業地域・都道府県水稲(食用)
作付経営体数(単位:経営体)作付面積(単位:ha)
全国713,7921,285,654
1位:東北150,412371,741
2位:関東北関東69,325114,131116,817189,457
南関東44,80672,640
3位:九州101,748132,124
4位:中国73,16482,931
5位:近畿72,86080,238
6位:北陸68,091196,152
7位:東海53,25069,928
8位:四国39,67533,018
9位:東山29,41626,475
10位:北海道10,843103,241
11位:沖縄202348
農林業センサス:調査結果の概要より

正解は、10万経営体で九州地方なんです!

現在コシヒカリ、ひとめぼりに次ぐ作付面積を誇る品種は、九州の温暖な気候で育ちやすい宮崎県生まれの「ヒノヒカリ」なのです。その他にも近年評価を上げている長崎県の「にこまる」、過去何度も特Aに選出された熊本県の「森のくまさん」など、意外と知られていない米どころなのです!

また沖縄でも極小規模でありますが、お米が作られていることは皆さんご存知でしょうか。「ちゅらひかり」という品種が育てられており、炊きあがりの香りが強いその特徴から沖縄料理との相性が抜群なんだとか!

こうした情報が詳細なデータとして確認できるのが農林業センサスの面白いところ。さらに深く掘り下げていけば興味深いデータが見えてくるはずです。

04まとめ

日本の農林業の現状を正しく把握するため、経営体の方々の協力のもと詳細なデータが農林業センサスとして集められています。その有効回答率は2020年度版で実に97%を超えており、それだけ農林業にとって重要なものだということがわかります。
こうしたデータを基に政策が決められているということを知るのは、同時に我々の税金の使い道の根拠を知ることになります。
少しでも興味が沸いた方は是非見てみてください。意外と知らない日本の農林業の現状を知る良いきっかけとなるはずです!

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