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2020年8月14日更新

「農業+営業」は特殊な職業?

いいえ、
そんなことはありません!

農業は農産物を作ることだけをイメージしがちですが、他業界と同じで様々な業種と職種が存在し、その代表的なものが農業ビジネスの営業職です。
本稿では
農業ビジネス を ” アグリビジネス
農業ビジネスの営業職 を ” アグリビジネス営業職
と言葉を今風に呼び変えて、実は魅力的な求人募集ばかりの職業なのに、成り手が不足しているこのアグリビジネス営業職について解説していきます。

01取扱商品と営業の仕事

取扱商品と営業の仕事

アグリビジネスを営む企業が扱う代表的な商材は、農業で使われている飼料、肥料、種苗、農薬、農業資材、農作機などです。
例えば、農作機を扱っているヤンマーやクボタはその代表として、イメージしやすいかもしれませんね。
アグリビジネス営業職の代表的な業務は、農業生産者に対して、新製品の有効性・安全性を説明、普及展示会・商品説明会の運営、ニーズヒアリング、自社へのマーケットニーズのフィードバックなどです。ときに、JAなどが顧客になることもありますが、メインの顧客は農業生産者です。
また、例えば、農薬販売会社であれば、自社が所有しているテスト農場で、実際に自分たちが使い勝手を確かめ、その後に農業生産者へ製品を提案。導入先の農家さんの圃場に出向いて納入製品の効果測定や適正な指導を行うことがあります。

アグリビジネス営業職の代表的な取扱商品

まずはアグリビジネス企業の取扱商品と販売促進活動について、代表的な例を挙げていくつか見てみましょう。

・種苗販売・農業資材販売(卸売含む)
農業生産者・JAへのルートセールス及び新規開拓中心の営業販売を行います。
種、苗、種芋、球根、農業資材などを農業生産者の特徴に応じて適切に提案し、安定供給するのが基本の役割です。
一軒一軒の営農状況を、営業活動とヒアリング(生育状況や食味・品質などまで)で細かく把握することが欠かせません。
産地づくりの協力など地域全体とコラボレーションするような企画に深く関係するケースもあります。

・肥料販売・農薬販売
農薬・肥料の製造、販売及びアフターフォローまで一貫したサービスを提供したり、土壌改良資材や培養土などの輸入にまで営業部門が携わる企業も存在します。
テクニカルな技術面の指導まで営業職員が行う事が多い業態なのも特徴です。
自社が専門に扱う商品に特化した研究や学習をし、そのノウハウはクライアントである農業生産者に引き継がれ、最終的には日本の食卓に上がる農産物の安全や品質につながっていくというやり甲斐があります。

・農業機械販売
農業機械の営業で、営業先は農業生産者・地域の農機具店・JA・代理店など多岐にわたり、展示会での販促に携わることもあります。
扱っている商品は、トラクター、あぜぬり機、整地キャリア、農業用トレーラー、など具体名を挙げればきりがありません。
これから日本の農業は、機械化とIT化がますます進んでいきます。
搾乳ロボットや収穫ロボット、農薬散布ドローン、自動運転トラクターなど10年前には映画の世界のように思われていた機械が今、日本中で稼働しているのです。(それも自然豊かな農産地で!)
農業機械の営業を行う者はセールスエンジニアと呼ばれることもあり、販売した機械の整備・修理まで担っています。

・飼料販売
ここからは畜産農業にまつわる代表的な取扱商品を見てみましょう。
あらゆる畜産農家に向けて家畜の餌を販売する配給飼料会社は、飼料製造から原材料の生産や輸入まで行なっている場合が多いです。
畜産農業と一言で言っても酪農、肉牛、養豚、養鶏、まで業種と家畜は様々です。
また家畜の繁殖だけを行う生産者、育成だけ行う生産者、など生育のプロセスに特化している生産者も多い業界で、そこに家畜改良(種畜開発)の進歩も相まって、生産者のニーズは千差万別に異なる業界です。
そして配給飼料会社の営業職は、その一つ一つの声に耳を傾ける必要があります。
ほんの一例ですが、私たち消費者がステーキとして食べることになる和牛の「サシ」を増やすための配合飼料があったりするのです。

・家畜用医薬品
家畜用医薬品を扱う企業は、家畜用医薬品はもとより、飼料添加物、器具・器材などの調達と配達まで担う事があります。
当然この分野での営業担当者は、新製品・代替品の提案を行い、商品全般に関する質問等にも対応する知識まで備えている必要があります。
農業生産者の方々だけでなく、獣医師の先生や人工授精師と連携して業務にあたる事もあり、家畜の健康を守る影の功労者と言える職業です。

ユニークな営業

・野菜の生産者とお店をつなぐ提案営業
全国各地の農家と連携し、大手食品メーカーやスーパー、生協、ホテルなどのニーズに応じた農産物を提案し、独自のルートや手法で販売します。
農産物の流通に特化した業態で、IT日よる分析を駆使して生産者と小売店の双方の利益を伸ばす事ができる、新しい仲卸ビジネスを行う企業が近年出てきました。

・農家へITサービスの提案・導入営業
例えば酪農や肉牛の生産者に向けて、牛の体調をタブレットPC一つで管理できるクラウドサービスを提供する企業がすでに国内にいくつも存在します。
生産者は牛群をICTで管理し、個体ごとの健康状態をディスプレイに表示される数値や色などで把握し、生産性の向上に繋げています。
また、野菜の生産者に向けて、圃場(畑)やハウス内の環境データを自動で採取し自動でコントロールするシステム、農薬散布ドローン制御のシステム、最近ではトラクターの自動運転システムを開発する企業仕事なども存在します。
農業界で起こっているIT導入の潮流は、2018年頃から一般にも注目され始めてきましたが、このシステムを提案し、導入企業に使用方法の説明やバージョンアップ後のフォローを行う営業職が新たに生まれています。

海外も含めて活躍する場面も

アグリビジネスにおける世界トップといえばオランダとイスラエルですが、そういった海外企業との商談、あるいは海外の農業機器メーカーに対する国内製品のOEM供給提案を行うアグリビジネス営業職もあります。
一般的な農業のイメージからは想像しづらいかもしれませんが、日本の農業はもう何十年も前からグローバル化が進んでおり、私たち日本人の食卓も世界の農業と密接に関係し続けています。
その裏側には、ワールドワイドに活躍するアグリビジネス営業職の方々が常に存在しているのです。

02アグリビジネス営業活動の特徴

アグリビジネス営業職についた場合、主な顧客は農業生産者(個人経営、法人経営)、JA、などで限定的ですが、その顧客となってくれる方々の年齢層は広いです。
以前までは40〜60代が多かったのですが、最近はI・Uターンされた20~30代の若い農家、若い農場長を抱えている農業生産法人が増えてきました。(販売する商品によってはゴルフ場・造園業者なども顧客になる業界)
そういった人たちに向けた代表的な営業方法を見てみましょう。

ルートセールスにおいて

既に取引のある農家や農業生産法人などの既存顧客を回り、農業機器、農薬や肥料、シートなど自社商品の提案・販売・納品、商材に応じて顧客から求められる様々な納品後フォローを行います。
さらに重要なのは、情報交換によってニーズとマーケット全体の変化の流れを正しく把握して自社に持ち帰ることです。

新規開拓営業において

どんな業界でも競合するライバル企業はあるものです。他社製品を使用しているかもしれない農業生産者に、様々なアプローチで最初の接点を作り自社製品を購入もしくは試してもらう営業活動は欠かせません。
農業界の中でも特に農業生産者をメインのクライアント層にする場合、他業界との顕著な違いとしては

・農業生産は個々の経営体が固有の売り先を持っており、競争原理が強く働く業界構造ではないため、経営者同士の友好的な横の繋がりがとても強い。そのため農業生産者同士でのクチコミでの情報交換が盛んに行われている。
・農業生産は、災害や環境変化に負けない安定した生産活動を目指さなければいけないので、サービスのアフタフォーローの質を非常に重視している。

などが挙げられます。
アグリビジネス営業職に就いた場合は、まずはこういった農業生産業界の特徴を肌で感じる事が、多くの生産者の方々に求められる営業担当者になる近道です。

03アグリビジネス営業職で活躍できる人はどんな人?

取扱商品と営業の仕事

メインのクライアントになる農業生産者は、個人、法人、という区別だけではなく様々な形態で経営されています。
まず初めに、専業、兼業があり、専業ではさらに家族経営の個人事業主、社員を抱える中規模な個人事業主、法人化している大規模な農業生産法人、外食チェーンや食品メーカーなどがグループ化している農業生産法人、などに分かれます。
つまり、養豚だとか、トマト栽培だとかの同じ業種であっても、営業先の商談相手が、代表者なのか、代表者の家族なのか、一般社員なのか、親会社の社員なのか、とてもバラエティーに富んでいるのです。

他産業での営業経験者が求められている

他産業で営業職についていた人は、農業に関しては素人であっても、コミュニケーションスキルや営業活動のノウハウに長けているでしょう。
「培ってきたコミュニケーション能力や営業ノウハウ」+「転職先できっちり学ぶ農業の知識」で即戦力として活躍する図式です。
入社後に農業に関する知識を習得する教育体制が万全のアグリビジネス企業は多く存在し、他業種での営業職経験者を強く求めています。

農業生産に関わってきた生産経験者が求められている

こちらは前述の逆で、農業生産の経験者が、営業職の経験はなくても求められているパターンです。
なぜ農業生産の経験者がアグリビジネス企業に営業職として求められているかというと、それは農業生産者と話しができるという事に尽きます。
農業生産の実態に理解があり、自然と顧客層と会話をすることができるし、自身の経験があればスムースに信頼を得られるからです。
その場合は、現場から得た情報を自社へフィードバックするなど営業職としての能力を入社後の社員教育を通じて習得します。
実はこのパターンで転職活動をしている方は非常に少ないのですが、どうしても生産経験者を採用して営業即戦力になって欲しいと考えているアグリビジネス企業は非常に多いのが実態です。

2020年代はアグリビジネス営業職が穴場?

営業職の人材を欲しているのは、どの業界も同じです。
農産業は得てして農家、生産する人、作る人、のイメージが強く、営業職で活躍できる業界なのだと連想されにくいので、求職者から検索してもらえていない実態があります。
他業界に比べても実は良い待遇で営業職を募集している企業がとても多く、しかも都市部だけではなく日本全国に存在しているのに、その求人募集の多くは見つけられずに埋もれている傾向にあります。
地域を問わず営業に携わってきた人、農業生産に携わってきたけど営業職に興味がある人にとっては、非常に魅力がある業界なのではないでしょうか。

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04まとめ

最近はアグリビジネス企業だけにとどまらず、法人の農業生産者が営業職の人材を求めることも増えてきており、活躍の場は広がっています。
(しかし、なかなか注目してもらえていない勿体ない実情があるのは前述した通り。)
日本の農産物は農業生産者が生産しています。そして農業生産者をガッチリと支えているのが多くのアグリビジネス企業です。
農家の方々に「また会いたいな」と思ってもらえる関係を築き、協働して未来の農業を推進していく。それがアグリビジネス営業職の醍醐味のひとつです。

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