林業キャリアプランをつくろう

林業に就職!基本の「き」をご紹介

こんなはずじゃなかった…!を防ぐキャリアプランの作り方

就職パターンを決めよう

林業で働くには、森林組合か民間の林業会社に就職する方法が一般的です。独立を目指す場合でも、起業前にどちらかで数年以上の経験を十分に積む場合が多いので、未経験者はまずどちらかへの就職を考えてみましょう。

1. 森林組合に就職する

森林組合は森林所有者が組合員となる協同組合です。日本の森林の約7割は個人所有の私有林で、森林組合は主にこれら組合員の所有林を管理します。森林組合は約700あり、事業内容は各組合で異なりますが、主に4部門(森林整備部門、販売部門、加工部門、指導部門)に分類されます。山で木を切るというイメージが強いかもしれませんが、それは仕事の一部ということになります。森林組合と民間の林業会社の一般的な違いについては、仕事の違いも挙げられます。例えば「主伐」という仕事の7割は民間の林業会社が行っていて、森林組合は1割です。「植林」については民間は3割、森林組合が6割です。森林組合から林業会社へ仕事を外注する場合があるので、将来独立を考えている人は森林組合で築いた信頼が仕事の受注につながる可能性もあります。

2. 民間の林業会社に就職する

森林を保有している会社と、保有せずに受託のみの会社があります。一般的には「主伐」の仕事が主となりますが、会社によって異なります。森林組合は合併が進んでいるため、地域を決めれば勤務組合も決まることもありますが、林業会社は多数存在するため、各会社の特徴をより注意して見てみましょう。林業では一般的に独立は難しいと言われますが、林業会社で経験を積んで独立を果たすケースもあります。仕事を受注する営業についても学んでおく必要があります。

林業の仕事サイクルを知ろう

林業では木を植えてから伐採まで約50年かかります。そのため森林の成長サイクルに合わせた様々な仕事を、複数箇所で実施することになります。ここでは代表的な仕事をご紹介します。

地ごしらえ(2・3月)

伐採後、植え付けをするために散乱した伐採木の枝葉や残木を取り除き整地する作業です。

植え付け(4・5月)

苗木を一定の間隔で植える作業です。近年は鹿などに被食されることがあり保護カバーや獣害ネットを付けることがあります。

下刈り(6~8月)

苗木よりも雑草の方が早く成長するため、苗木が雑草に覆われ生育を妨げられます。そのため雑草木などを刈払い、十分な日光が当たるようにします。一般的に植え付け後の数年間、毎年夏の間に行う作業です。

除伐(9・10月)

節のない良質材を生産するために下枝を切り落とす作業です。病虫害や雪害を防止し、林内を明るくします。

間伐(11・12月)

伐採後、植え付けをするために散乱した伐採木の枝葉や残木を取り除き整地する作業です。

主伐(秋~春)

樹木が成長し柱などの資材として利用できる時期に達した立木を伐り、枝葉を払い適当な長さに切る「玉切り」をします。近年では高性能林業機械を利用し作業の効率化を進めています。

集材

造材された木を林道や土場、市場などに運材するのに便利な場所まで集める作業です。近年は主に高性能林業機械の利用が多くなっています。

運材

集材された木材をトラックなどに積み込み、木材市場や貯木場に運ぶ作業です。

この他にも、製材加工、流通、測量、林道づくり、治山など、森林での仕事は多岐にわたっています。

素材について知ろう

農業や漁業では生産量は重さで表します。林業ではどうでしょうか?また木の種類にはどのようなものがあるでしょうか。一次産業の就職活動でも商材について知ることは重要です。ここでは基本について簡単に紹介します。

木の量の量り方

林業では木の量を「材積」という体積(㎥)で表します。材積を出すためには「測樹」という調査を行います。測樹では木の直径と高さを測ります。測り方や、体積の計算の仕方には細かなルールがあります。また森林全部の木を調査することを「毎木調査」と呼びます。

針葉樹

針葉樹の素材生産量は約1600万㎥です。針葉樹は成長が早く、まっすぐな材がとれるため、主に建築材として用いられます。針葉樹の素材生産量のうちスギが半分以上を占め、他にはヒノキやマツがあります。同じ樹種の中でも地域により特徴があり、ブランド化されているものもあります。吉野スギ、天竜スギ、尾張ヒノキが日本三大人工美林と言われています。

広葉樹

広葉樹の素材生産量は約230万m³です。日本で生産される素材はほとんどが針葉樹です。広葉樹は成長が遅く、針葉樹のようにまっすぐな材はとれません。美しい木目を活かして、家具や内装などに用いられます。主要な樹種ではブナで、他にカンバ、ナラ、シナノキなどがあります。日本に自生する針葉樹が約40種なのに対して、広葉樹は800種以上あると言われています。地域や標高などの環境によって、樹種が異なります。

市場流通

木材の流通経路は、様々な形態があります。ここでは住宅建設を例にして一般的な経路をご紹介します。切り出された木は、丸太の状態で原木市場まで運ばれます。製材業者が丸太を競り落とし、製材工場に運んで柱や板の製材品に加工します。製材品は製品市場へ運ばれ、木材卸業者が買います。それから木材小売業者を通して工務店が購入し、家を建てます。ブランド材以外は、これらの流通の過程で出自を見分けることは難しくなっています。

就職先を選ぼう

未経験者のキャリアプランとして代表的なのは、森林組合や林業会社への就職です。ここでは就職活動のポイントをご案内します。就職先を選ぶ際には、仕事内容や給与以外にもチェックしておくべきポイントがあります。人によって重視するポイントは異なりますが、まずは以下の内容を参考にして自分の判断基準について考えてみましょう。

地域で選ぶ

林業が盛んな地域で探したい場合には、農林水産庁が出している「生産林業所得統計」などを参考にして調べることができます。木材生産額が最も大きいのは北海道で、次いで宮崎県、岩手県、熊本県、大分県となります。またブランド材を出している地域で探す方法や、住みたい地域から探す方法があります。

先進経営組織で選ぶ

先進システムを導入している事業体を探す方法としては、例えば林野庁の「先進林業機械改良・新作業システム開発事業のうち作業システム導入支援事業」の支援先を調べる方法があります。また林業労働力の確保育成について表彰されている事業者を探す方法もあります。林野庁長官賞や全国森林組合連合会会長賞などが、優良林業事業体に与えられています。

複合事業で選ぶ

6次産業化により、木材の生産から加工販売までを行っている事業体もあります。消費者に近い仕事をしたい人などは、6次産業化の視点で探してみるのもよいでしょう。商品は家や家具や棺など様々です。

体験で選ぶ

野菜や魚はスーパーで見かけますが、丸太や板を日々見かける人は少ないのではないでしょうか。加工前の素材について、林業の場合は消費者と比較的距離があります。未経験者の場合は、まずイメージをつかむためにも生産現場で体験やボランティアをしたり、就職フェアに参加してみると良いでしょう。危険な作業も伴う林業では、チームワークがより大切となります。体験などでの出会いと直感が、就職の決め手になることもあります。

自分の価値観を知ろう

就職活動は求人者と求職者のマッチングのプロセスです。就職先が自分にマッチするかどうかを判断するためには、就職先だけでなく自分についても知る必要があります。例えばみんなに人気の林業会社ならば必ずあなたにも最適、ということはありません。一般企業への就職活動者が行う「自己分析」は林業でも有効です。「こんなはずじゃなかった」とマッチングに失敗してしまう可能性をより小さくするためにも、きちんと時間をとってあらためて自分について考えましょう。「自己分析って何?」という方は、以下のポイントから始めてみてはいかがでしょうか。

自分に問いかける

自己分析には様々な手法があり、解説WEBサイトや書籍も多数存在します。ここでは基本例として、2つの切り口をご紹介します。1つ目は「Want、Can、Must」です。Want(やりたいこと)と、Can(できること)、Must(求められること)の3つを重ねた際に、すべて交わる部分が多いほど自分に適している、と見ることができます。もう2つ目は「Being、Having、Giving」です。Being(どんな能力を持ちたいか、どんな人間性になりたいか)、Having(収入や生活環境や名誉など、何を得ていたいか)、Giving(社会や地域や人に対して何を提供したいか、どんな影響を与えたいか)の3つをそれぞれ掘り下げます。それら3つが仕事でどのように満たされるのかを考えると、すべて満たされたり、どれかが満たされなかったりするので、仕事にマッチするかどうかを見る基準の1つにすることができるのです。

他人に聞いてみる

自己分析を終えたら、次に他人に聞いてみることも有効です。自分が気づいていない一面を認識できたり、あらためて客観的に自分を捉えることができるためです。さらには、自己分析した内容を踏まえて他人にアウトプットしていく中で、考えがまとまったり、自分の新たな嗜好に気づいたりすることもあります。自分が林業に興味がある理由や、気になる林業会社があればその理由について話してみましょう。聞く相手は友人や家族、あるいは林業への就職支援をしている機関の職員など、話しやすい人を選ぶと良いです。林業知識の無い人に聞く場合には、まず林業や仕事内容についての説明を求められる場合もあるので、事前準備としての情報収集も必要となります。

ツールを利用する

出来事や経験を振り返り分析して活かす、という方法は教育現場や一般企業でも実践されていることがあります。この振り返り作業は「リフレクション」や「内省」と呼ばれます。林業でも日々の経験を振り返って、学びを改善につなげることは重要です。「リフレクション」は就職活動の自己分析でも活用できるので、この機に「リフレクション」について調べてみてはいかがでしょうか。書籍やWEBサイトなどで情報を得ることができます。他にも自己分析に役立つ情報やツールは色々とあるので、自分に合いそうなものを探してみましょう。書店の就職活動コーナーの他、無料のWEB診断テストや、林業就職の相談窓口など、まずは着手しやすいものから始めてみるのも良いでしょう。

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